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あの右鷺

ぼくの家族はルーテル派のごちこちの保守主義だったんだ。だからドイツ神秘主義には親近感がある。我性を捨て、それによって神と合一することや、魂の観照を重視することを子どもの頃から自然にやってきた。日本人と話していたら、浄土真宗の「他力」と通じるものがあると言われたけど、よくわからない。だけど、日本の国民作家がzenの坊主に偏見を持っていたという話を聞いたときには、なんとなくわかったよ。「学とか知の腐った臭いは強烈で耐えられない、浄土真宗の坊主の俗っぽさはかわいいもんだけど、zenの坊主の俗っぽさは人の命を否定してしまうところまで行く」というわけだよね。勉強しすぎて魂が変な方向に行っちゃったんだろうね。神は見えているんだろうけど、人間はそこにはいないと思うよ。

だからさあ、マルクス主義は共同幻想であり、宗教の一種だという人がなにかの宗教の信者でさあ、マルクス主義がそのイデオロギーの導くままにどれだけの人たちを虐殺してきたかと批判してるのを聞くと、「お前もな」と言われるわけだよね。こちらはその反省の上に立っていると反論しても、彼らは「ああ、そうですか」と部外者の冷たい目を感じないわけにはいかんだろう?実際、いまでも同じことを、しょうこりもなくやってるわけだから。なんなんだろうね、あれは。

ああ、ぼくは愛国者だよ。フランクリン・ローズベルトの下で民主党支持者として成長したので、ウサギのアングストロームも過剰にそういう傾向があるのかもしれない。
冗談を言っていいかい。レーガンの8年ブッシュの4年の次にクリントンの8年、W・ブッシュの8年が来た。じゃ、次はオバマの4年ヒラリーの8年で数学的にはきれいな形になるわけだ。ドル崩壊?だいじょうぶだよ。たしかに危機にはちがいないけど、民主党がやってくれるさ。神はアメリカを祝福され給う。


引用;さようならウサギ,J・アップダイク,井上謙治訳,新潮社,1997.9.25.
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